ソラマメブログ › 原宿竹下症候群 › 2008年05月31日

  

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2008年05月31日

例えばライトの話



竹下SIMの改装に入って2ヶ月が過ぎました。
ようやく、ほぼ全体が出来上がりました。
今回のSIMはリアルさ、複雑さという点を重点としているため、作業開始早々にメンバー間で喧々諤々の議論が続き、時には夜中から始まった話し合いが朝までかかった事もありました。
お陰である程度のものは出来上がったような気はします、まぁまだまだ甘い所が多いんですけどね。



ところで、SIMを作るときに頭を悩ませる事の一つに、ライティング設定があります。
SLのライトは通常の3Dソフトとは違い、恐ろしく融通が利かずコツが必要です。
ビュアーが新しくなって、以前のウィンドライト版と同じになったため、この現象は顕著になりました。
特にフェイスライト等で頭を痛めている方は多いのではないでしょうか。



光源のオブジェクトをポンと置いてライト設定をしてみました。
あれ、光ってませんね。



一歩近づいてみました。
今度は光っています。
SLのライトは、設定範囲に自分のアバターが入らないと光らないのです。
これには例外があり、極端に大きい範囲に設定すると遠くからでも見える事があります。
ただし、それは問題がたくさんあります。



範囲内が明るいのであれば、カバーするようにたくさん置けば、一帯が明るくなるはずと考えがち。
そこで並べてみました。
しかし大して明るくないですね。
SLでは有効光源数というものがあり、これは6個と言われています。
何に対して6個なのかはイマイチ不明ですが、画面内に6個と考えておく方が解りやすいかも知れません。
また、この個数には距離が関係ありません。
明るさや大きさも関係ありません。
つまり、オーナーが試行錯誤して設定した店内のライトが、たった一つのフェイスライトで消えてしまう事があるわけです。
ライティングに凝っている場所でフェイスライトが嫌われる理由がこれです。



これは普通に光源のそばにオブジェクトを置いたものです。
特に変な点はありません。



間に壁を作ってみました。
おかしいですね、壁の向こうのオブジェクトが照らされています。
SLのライトとオブジェクトは陰は作りますが、影は作りません。
この違い解りますか?
つまり、ライトの範囲内にあるものは強制的にすべて照らされるのです。
壁があるからと、自分の家の中をテラッテラに明るくすると、隣接している隣の家の中までガンガンに照らしてしまうのです。
これは一種の近所迷惑行為になります。
先ほど、例外的に強いライトを一個なら遠くから見えると書きましたが、間違いなく近隣の家の中まで照らし出してしまいます。
また、そうそうライト一個だけがポツンとある状況に家が建てられたりはしませんね。
そんな事ができるのは実験SIMか個人しか使っていないSIMだけです。
ウィンドライト仕様になって、強烈すぎる光は周囲のものを色飛びさせてしまうようになりました。
時々、人間灯台のようなフェイスライトを付けている人がいますが、かなり問題ありますよ。



ところで、デバッグメニューに面白い機能があります。
Ctlrキー+Altキー+Dキーを押すと、デバッグメニューが表れます。



この中に、ライトのメニューがあります。
Rendering→Info Displays→Light にチェックを入れてみましょう。



これ実は、ライト設定をした光源オブジェクトと、その光が照らす範囲なんです。
この範囲は設定範囲とは違います。
ライトは設定範囲より広めに周囲を照らすのです。
建物を作る人は、このデバッグメニューを使って確認してみましょう。
予想外にライトが不用意に乱用されている現状にビックリすると思います。

このように、SLではライトは一種の職人技でなければ効果的に使う事ができません。
明るさ全開+透明度や透明グラデーションテクスチャ、新しく追加されたグローなどを効果的に使う事で、ライトだけに頼らない表現はできます。
建築関係者は一工夫してみましょう。
ただ、フェイスライトだけは難しいですよねぇ・・・  


Posted by H,T,Syndrome at 15:44Comments(0)物作り